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上級リーダーの資質とプロジェクトのゴール設定

更新日:7月14日

新商品開発では、経営者がまずリーダーを任命します。任命されたリーダーは、最初に何から始めますか?初期段階で明確にしておくべき重要なことがあります。意外に、このポイントを確認せずに開発をスタートすることが多く、後に迷走することになります。
新商品開発では、経営者がまずリーダーを任命します。任命されたリーダーは、最初に何から始めますか?初期段階で明確にしておくべき重要なことがあります。意外に、このポイントを確認せずに開発をスタートすることが多く、後に迷走することになります。

ビジョナリープロダクトの「リーダーズ」サイトです。


*** 筆者紹介 ***

ビジョナリープロダクトは、光・レーザ加工・計測技術が専門です。工作機械や鍛圧機械などFA産業機械の新商品開発支援や製造技術・品質改善・設備導入支援をしています。

伴走型で商品開発プロジェクトを推進する技術・製造・事業戦略コンサルティングと商品開発マネジメント・コンサルティングを提供しています。


*** 連載コラム記事No.2 ***

「上級リーダーの資質とプロジェクトのゴール設定」


経営者の方にお尋ねします。

プロジェクトリーダーは、部長クラスですか、課長クラスですか?


ここでは上級リーダーを対象とするので部門長(部長クラス)の視点で話を進めます。

もちろん、課長クラスでも部長クラスの視点で行動できる方は、将来確実に部長に昇進することでしょうから部長になるつもりで読み進めて下さい。


 ▶ところで製造業での職位にどのようなイメージをもたれていますか?


 相撲の世界で例えるならば、役員・取締役が横綱、執行役員・部長が大関、副部長・次長が関脇、課長が小結、係長が前頭といった感じでしょうか?大関以下は昇進もあれば陥落もありますね。これは実力もあれば時の運も影響し浮き沈みがあります。上級層では特に社内政治や派閥争いなども影響します。残念ながら好き嫌いも影響します。相撲協会の理事選任などを客観的に俯瞰してそう思います。

ただ、リーダーとしての資質があるかないかは明確です。課長は年功序列や能力だけであがるケースは多々ありますが、中堅以上の企業では、部長は年齢や経験だけでは容易に昇進しません。経営者は、昇格人事において経験だけでなく資質も見抜く必要があります。部長の安売りをして大課長が増殖しないよう基準や企業文化を熟成させましょう。


 ▶少し考えてみて下さい。リーダーにはどのような資質が必要ですか?


 リーダーは少なからず一定のメンバーを率いて組織で結果を出さねばなりません。ということは人を率いる能力と資質が必要です。いくら個人としての業務遂行能力が高くてもリーダーに向いているわけではありません。よくみかけるのが、すごく仕事ができるにもかかわらず昇進しない方がいます。概ね周りのメンバーを見下し攻撃する人です。上司や同僚の悪口が多いのも特徴です。当然、このような人が組織を率いて結果がでるわけがありません。「人を率いる能力」と「正しい判断のできる品格」が必要です。サービス残業や勤怠不正を許容するような上司も不適合です。こういう方が開発する商品は、妥協点が多く設計品質や製造品質が低下します。コンプライアンスは重要です。



 ▶では、最低限、人を率いる資質のある課長や部長とでは何が違うのでしょうか?


 当然、権限と責任の大きさが違いますね。率いるメンバーの数が大きく異なるでしょう。中堅以上の企業では、課長は5~15名、部長は20~50名程度の人をマネジメントしなければなりません。故に役割と責任は大きく違って当然です。課長は主に人をマネジメントしながら「課に与えられた業務を遂行し仕事を捌いていく」必要があります。課員が少数の場合は、プレイングマネージャーの方も多いでしょう。


一方で、部長は個人のマネジメントもさることながら組織をマネジメントしながら、「部門の将来を考え、新商品や新サービスを創造し、部門の利益を伸ばす」ことが求められます。経営層や社内での縦のつながり、他部門との横のつながり、社外との関係性を良好に保つソーシャルスキルが必要です。ある意味、「部門の経営者です。経営センスがなければ、その部門は伸びません。


 ▶それでは、上級リーダーである部門長(肩書が部長でなくてもかまいません)が商品開発リーダーとして、新規プロジェクトを始動する際には何を考えなければなりませんか?


 トップダウンで経営層が立ち上げたプロジェクトの場合もあれば、部門長自らが考え、経営者へ提案して立ち上がるプロジェクトもあるでしょう。いずれにせよ、新規プロジェクト発足は、会社に期待され貴重な人的リソースや多額の費用を投入するケースがほとんどです。


 ▶それでは、プロジェクト発足時に上級リーダーは何を考慮しなければなりませんか?


上級リーダーは部門長として、まだ部門でなければ新設部門が誕生する為に経営視点が必要です。そう「上級リーダーは経営者」なのです。会社の売上に寄与することが求められます。製造業における新商品開発プロジェクトは「企業経営」なのです。


ここまで主にリーダー論をお話しました。リーダー論は奥が深いので連載コラムで適宜論じていきますが、別の機会「特別コラム」で、気が向いた際に掲載したいと思います。


ここからが本題で重要です。


製造業における企業経営は、経営学者のドラッカーが提唱する「マーケティング」と「イノベーション」です。常に「顧客の創造」と「新商品の創出」が必要です。この変化の激しいVUCAの時代に新商品、新サービスを創造しない企業は消えゆく運命にあります。生成AIが急成長し始めた昨今は尚更にその状況は加速しています。


プロジェクト始動時にまず大事なことは、開発の背景として「WHYから始める」ことです。米国コンサルタントのサイモンシネック著書「WHYから始めよ!」のゴールデンサークルで有名な考え方ですね。

「なぜそのプロジェクトを始めるのか?」、そこには「どのような夢と希望があるのか?」


幕末の思想家、吉田松陰の名言「夢なきものに成功なし」私の座右の銘です。

「夢なきものに理想なし、理想なきものに計画なき、計画なきものに実行なし、実行なきものに成功なし、故に、夢なきものに成功なし」


その夢やWHYに対する応えは、以下の3つを定義することです。

ビジョン「Vision」、パーパス「Purpose」、ミッション「Mission」です。

これは、「プロジェクトのゴール設定」であり、永続する企業となるビジョナリー経営の骨子です。


数ある経営ビジネス書の中でも私が最も共感した著書「ビジョナリーカンパニー」にも記載されています。私の趣味の一つでもある山登りに例えられているのでとても理解しやすい記述でした。皆さんも、是非、一度読んでみて下さい。


これらは、ありきたりの言葉なのですが、ここを押さえて商品開発や経営をしない企業は、道を踏み外します。目的と目標を見失うからです。品質不正や粉飾決算をする企業が後を絶たないのは、経営者が道を踏み外すのです。往々にして部門長や担当者が犠牲になりますが、確実に経営者の責任です。上級リーダーの時点で道徳と資質・品格を身に付けておかねばなりません。


このWHYから始める経営理論は、私が会社で教えてもらったわけではありません。管理者研修で教わったわけでもありません。例え、研修で語られたとしてもなかなか実務には直結せず、「右から左へ」、「腹落ちしない」ことが多いのです。日々、リーダー論、ビジネス論、企業経営論を自ら学び、自己研鑽しながらトライ&エラーを繰り返し実体験する過程で身に付きます。失敗しないと身に付かないのです。大きな失敗をする前に小さな失敗や挫折を経験することが大事です。また経営者はこれらを許容してあげることが肝要です。積極的に挑戦し失敗した人材が会社にとって貴重な人財となるのです。さもないと昨今の大転職時代では他社へ流出してしまいます。


さて、ビジョン、パーパス、ミッションについて、詳しく語りたいのですが、それには十分な時間と実体験が必要です。詳しく聞きたい読者の方や実体験をリーダーに経験させたい経営者の方、または、プロジェクト推進でお悩みの経営者は、お気軽に弊社へご相談下さい。状況に応じたアドバイスとご提案ができるかと思います。



次回は、商品開発プロジェクトの具体的な進め方に入ります。あなたはどのようなプロセスで進めますか。。。

 
 
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