リーダーが聴く耳をもつ重要性
- 飯領田 晃
- 2024年12月21日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年12月24日

今、あなたはリーダーとしてメンバーを率いる立場ですか。
仮に肩書がなくても、数名のメンバーをまとめる立場にありますか。
今、あなたが率いる組織やチームは良好な状態ですか。
今回考えるテーマは、組織の班長、係長、課長、次長、部長だけの課題ではありません。経営者も同様です。役職が上位になればなるほど、深刻度が増す問題です。
自分と周りの環境を意識してみましょう。
会社、事業部、部、課、チーム(以下「チーム」)に以下のような病理現象はありませんか?または、このような愚痴は聞こえてきませんか?

どうですか?あなたのチームはいくつあてはまりますか?もしくは、このような人がどれくらいの比率を占めていますか。
実は私も同じように考えたことは幾度とあります。誰もがこのように思うことや感じることは、これまでにあったのではないでしょうか。リーダーといえども、中間管理職が多い為、このような無気力感に襲われることはあるでしょう。プロジェクトが進まない。売り上げがあがらない。部下が動かない...
それでは、あなたがリーダーの立場で、あなたのチームがこのような症状に見舞われたならば、大変なことですね。でもそれはチームのトップである「あなたの責任」であり、往々にして、「あなたに問題」があります。

ひとつずつ考えていきましょう。どうすれば改善するのでしょう。それには、このような状態になる理由があり、それを理解又は認識することが重要です。
なぜメンバーがこのように無気力になるのか?それは、自分の意見や行動が認められないからです。聞いてもらえないからです。会議で発言しても、それは無駄な労力なのです。

リーダーの多くは、忙しい(特に自分で仕事を抱えがちな人)ので、メンバーに依頼する仕事の背景や重要性を説明せず、 SHOULD 「すべき」、MUST「やらねばならない」で、一方的に伝えます。メンバーは疑問に思っても、何も聞かずに従おうとします。ここでモチベーションは下がります。

メンバーは与えられた仕事を一生懸命に頑張ります。もし、その指示が間違っていた場合、実行したメンバーの責任ではありません。リーダーの指示、依頼が間違っていたのだから、リーダーの責任です。それにもかかわらず、「私の指示が間違っていた、ゴメン!」と言える上位者は極稀です。なぜか?

リーダーは上位者ですから、通常は、メンバーより処理能力が高く優秀です。従って、プライドもあります。これが災いします。プライドのあるリーダーが簡単に自分の失敗を認めたくないのです。ゆえに謙虚になれません。結果として、メンバーには不満が募り、リーダーに対して反感を抱くようになります。

さらに、メンバーの意見や話を全く聞かないリーダー(本当は真のリーダーでありません)がいます。当の本人は聞いていると思っています。でも聞いているようで、実は聴いていないことが多いのです。本人は気づいていません。傾聴ができていないのです。すぐ自分の意見を押し付けようとします。私自身もえらそうに言いますが、若いころはこの傾向がありました。なぜなら自信過剰だったからです。他人の価値観を理解できない人も同じです。自分の価値観で物事を押し付けようとします。これも話を聞かない要因の一つです。
そして、メンバーの不満は、徐々にエスカレートしていきます。そのうち、リーダーは、どういう行動になるのでしょうか?

そのうちリーダーも「何かおかしい」と気が付き始めます。皆が言うことを聞いてくれなくなり、動きが鈍り始めるからです。そうすると初めに書いた病理現象が現れます。「何を言っても無駄」、「会議で発言しても無駄」、「どうせ聞いてくれない」。さらに恐ろしいことに、この状態が続くと、「できることなら関わりたくない」「敬遠したい」という感情に変わります。
最後には、「失敗していなくなってくれないかなー」、もしくは、「部署異動したいなー」「会社変わろうかなー」というように変化します。「上司が変わらないなら自分が変わるしかない」という発想になります。これが転職要因の一つです。
さて、どうでしょう。心当たりある方は随分多いのではないでしょうか。このような状態に陥ってもなお、「自分はこれでいい」と思う方は、それはそれで良いでしょう。ある意味強い方ですね。でも組織運営や事業運営は決してうまくいきません。
それでは、どうすれば改善できるのでしょうか?

メンバーの話を聞かない人は、挨拶もしない方が多くいます。部下から挨拶されても反応しない強者もいます。これは論外です。まず挨拶を積極的に交わすことです。そこから関係がはじまります。
例えば、出張などで飛行機にのった時、エコノミー席のように大変狭い空間で、何時間も食事しながら一緒に過ごします。隣の人に一言挨拶するだけで、随分居心地がよくなる経験ありませんか。リクライニングを倒すときも同様です。一言の声掛け、重要だと思いませんか。この一言の声掛けで敵対心と警戒心が和らぎます。例えが良かったかわかりませんが、職場でも同様と思います。挨拶をすることで親近感がわくように思いませんか?

互いに挨拶する職場環境になったら、雑談やコミュニケーションです。多くを話す必要はありません。まずは、「最近、どう?」で良いのです。これに対して、メンバーがどう応答するかで、仕事の状況や体調などが分かります。そこから会話を広げれば良いのです。

多くのメンバーは上位者に気にかけてもらいたいのです。気にかけるということは、その人の存在を認めている証です。無視することが最もいけないことです。その人の存在価値を否定することになるからです。このように普段からコミュニケーションをとるようにすると、いざ、仕事で悩んだ時や困った時に相談しやすくなります。「報連相は重要だ!」といっているだけのリーダーに限って、メンバーへ「なぜ相談しない!」、「なぜ聞きにこないんだ!」と怒ります。
どうでしょうか。こんな想いしたことないですか。私は上司の立場でも部下の立場でもこのような経験があります。最も重要なことはこれです。

「聴く」というのは意外に難しいものです。皆さん、努力して職場改善していきましょう!幸運を祈ります。
今回は、自分の職場環境がどういう状態か。そして自分の振舞が職場に与える影響をみてきました。今一度、自分を見つめ、職場環境を意識してみて下さい。そこから自分の成長と組織の成長が始まります。次回は、「自分を知る」という意味で、最も重要な「自分の強みを知る」についてお話します。
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