2025年8月12日
自動車業界で活躍するレーザ加工
8月の猛暑もここ数日の雨で少し和らぎ、お盆休みに入って多少過ごしやすくなりました。とはいえ、私は公私共に忙しく余裕のない毎日を過ごしております。展示会から少し時間が経過していますがご容赦下さい。展示内容より時流を記載しております。
7月中旬に愛知県国際展示場で開催された「人と車のテクノロジー展」へ打合せを兼ねて視察して参りました。自動車メーカをはじめティア1、ティア2メーカが最新技術と商品を展示します。自動車業界のサプライチェーンが垣間見えるショーでもあり、多くの出展者と来場者で賑わっていました。

自動車業界でのレーザ技術の応用は数十年前からあるわけですが、ファイバーレーザが登場し、2010年代以降から高出力化が加速したことで更に適応範囲が広がっています。特にハイブリッド化やEV化で軽量化が重要なファクターを占めます。軽量化には省スペース化も重要であり、アーク溶接、抵抗溶接、プラズマ溶接がレーザ溶接に代替する傾向にあります。
代表的な用途は、ボディフレームに使用されるプレス鋼板のテーラードブランク溶接です。今回の展示会でも数社が展示していました。ホットスタンプ材や冷間材がありますが、いずれも張力の異なるハイテン材をプレス工程前にレーザ溶接します。プレス前後の穴あけやトリミングにもレーザ切断が用いられます。これら工法には様々なレーザ技術が駆使されています。
次に注力されつつあるレーザ応用は、ギガキャスト材、アルミダイキャスト材です。キャスティングした後工程で高剛性ロボットによるレーザ切断が適応されます。3次元5軸レーザ切断の技術が使用されます。これも板厚が厚く、厚みも様々であることから高出力ファイバーレーザは最適です。
駆動系では、インバータ、バッテリ、モータ等の製作工程でレーザが多用されていることはご存知の方は多いと思います。封止、封缶、タブ、バスバー、コイルなどレーザ溶接が多用されます。なぜでしょう?
その理由は、反射率の高いアルミ材や銅材が使われ、ファイバーレーザがそのような材料に強いからです。波長の短いグリーンやブルーレーザも注力され採用されつつあります。加えて、最近ではフィルムの乾燥プロセスに半導体レーザの摘要が検討されています。
このようにレーザ溶接が多用されつつある中で、溶接品質管理も重要となります。オンラインビジョンセンサやインライン計測技術の需要と導入もレーザ導入と合わせて高まっています。
EV化が進む自動車業界では、まだまだレーザ適用範囲は拡大していくことでしょう。
ビジョナリープロダクトは、レーザ技術と計測技術が専門です。今後のレーザ市場拡大の為、関連企業様のご支援をして参ります。レーザ技術のご支援に関しては、以下のページをご参照下さい。
引き続き、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年8月12日
株式会社ビジョナリープロダクト
代表取締役 飯領田 晃